似鳥鶏さんの
【難事件カフェ】と【難事件カフェ２】
を読みました。(^▽^)/
落ち着いた雰囲気のカフェで
美味しいスイーツ＆珈琲。
そして難事件？
ネタバレもあるので
これから読む人は注意♪
難事件カフェ
著者：似鳥鶏（にたどり・けい）
光文社文庫
【難事件カフェ】は
2013年9月に幻冬舎文庫から発売された
【パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から】に
加筆修正してタイトルを変更
2020年4月に発売。
【難事件カフェ２】は
文庫書下ろしを2020年5月に発売。
あらすじ
洋菓子が美味しい喫茶店プリエールは
店主の兄・季と、
元警官でパティシエ役の弟・智が
切り盛りする隠れ家的お店だ。
優秀な警官だった智を連れ戻そうと
店に詰め掛けるのは
県警秘書室の直ちゃん。
彼女が持ち込む未解決事件を
兄弟で捜査することになって…。
四つの奇妙な殺人事件を
名探偵の兄弟の絆と甘いケーキが
解決に導く。
ほろ苦く切ない傑作ミステリー。
©難事件カフェ裏表紙より
主な登場人物
惣司 季（そうじ・みのる）
父親の遺した喫茶店を継いだ
しっかり者のオーナー。
頼りになるお兄ちゃんがゆえ
巻き込まれ属性。
警官でも探偵でもないけれど
難事件解決のために奔走。
惣司 智（そうじ・さとる）
県警に所属していた元警部。
国家公務員試験１種に合格したキャリア。
真面目で正義感が強く
警官としても優秀だったみたいだけど
なぜか突然辞職し
現在は喫茶プリエールで
パティシエ役を務めている。
お店で働く智さんは
優しくおっとり人見知り。
直井楓（なおい・かえで）
通称・直ちゃん
県警秘書室勤務。
智の大学の後輩。
辞職した智さんを警察に連れ戻そうと
足繫くプリエールに通っている。
未解決事件を持ち込んできては
惣司兄弟を巻き込んで捜査。
作中に、髪形などの描写がないので
ハッキリ断言できませんが
右が兄・季（みのる）さん
左が弟・智（さとる）さん
だと推測してます。
作中で、智さんのことは
「端正な顔立ち」
「貴族的な上品なふるまい」
と書かれているので
なんとなく左が智さんかな？
上記の誉め言葉は季さん目線
(＊^v^＊)
こんな話です
難事件カフェは、どんな話？
この先、ネタバレもあるよ～。
喫茶プリエール
舞台になっているのは
惣司兄弟が切り盛りする
喫茶プリエール。
【Priere】フランス語で【祈り】
高層ビルが並ぶ駅前にあるけれど
前庭の木々が喧騒を遮る
静かで落ち着くお店。
元々はお父さんが
喫茶店を経営しながら
男手ひとつで惣司兄弟を育てた
三角屋根の住居兼店舗。
4年前に亡くなった父の跡を継ぎ
季さんが店主に。
弟の智さんは半年前から
パティシエとして働くことに。
父の代からの常連さんに加えて
智さんと、彼が作るスイーツ目当ての
女性客が最近増えている模様。
惣司兄弟と直ちゃんで難事件を解決
カフェ勤務のイケメン兄弟と
秘書室勤務の直ちゃんが
難事件を解決！というと
リア充のキラキラ話に思えますが
実際には
季さんは、直ちゃんに脅されて仕方なく
弟と店を守るために奔走。
智さんは、自分のせいで
兄を巻き込んでしまったと
落ち込みつつ
兄と直ちゃんが集めた
捜査報告を聞いて推理。
惣司兄弟はもちろん
秘書室勤務の直ちゃんにも
捜査権なんてありませんから
犯人が解っても逮捕は出来ません。
容疑者と話して真相を引き出して
自首を薦める感じです。
あ、事件は解決しますが
逮捕エンドだけではないです。
脅されてるって？
直ちゃんが季さんを
脅してるって書きましたが
どういうことかな？(^v^)
もちろん法に触れるような
ことではないですよ。
捜査に協力して貰えないなら
県警のお偉いさんや刑事さん
警察学校の生徒が
押しかけてお店のものを
食べつくしちゃうかもって。
繁盛とはかなり違う(>_<)
そんなことになったら
智さんが【俺のせいでこんなことに】と
思い悩んじゃう。
ということで
季さんはお店と弟のために
直ちゃんと捜査に出掛けるのです。
結局、智さんも捜査協力
捜査に巻き込まれた季さんを見て
智さんはやっぱり
【俺のせいでこんなことに】と思うのです。
そんな訳で結局、智さんも
事件の解決に向けて協力します。
直ちゃんと兄が捜査した話を聞き
推測をたてて
警察の捜査資料を直ちゃんに確認させて
…解っちゃうみたい。
直ちゃん曰く
元々、警部・智さんの仕事は
デスクに座って報告を聞くこと。
話を聞いて、捜査本部に助言をしたら
解決しちゃった事件もあるとか。
お話が進むうちに
智さんも現場に行って
いろいろ検証することもあります。
智さんは退職済なのに
智さんは半年前に辞表を出して
もう警察とは関係ないはず。
捜査に協力するのも変だし
戻ってこいと言われても？
直ちゃん曰く
【智さんは休職扱いになってます】
智さんは優秀な警官だったようで
県警本部は手放したくないみたい。
本部長から全員に
惣司警部を探し出し身柄を抑えろ！と
命令が出ているので
直ちゃんはプリメールに通って
【戻ってきてくださいよ】と頼んでます。
未解決事件の捜査を頼むのは
本部長が黒幕なんでしょうね。
事件関係者を慰めるお菓子
事件の容疑者や関係者の
話を聞いたり、真相を伝える時は
喫茶プリエールに来てもらって
お茶やお菓子で
もてなすことが多いです。
智さんの作るスイーツは
事件で傷ついた人達の心を
優しく慰めてくれます。
そのスイーツたちが
まあ、美味しそうなのです。
こんな感じの設定で
1話につき難事件を１つ
捜査して解決していきます。
難事件カフェの感想
繊細さゆえに辛い
智さん
真面目で正義感が強くて
優しくて繊細な方みたい。
事件関係者の辛い気持ちに触れて
智さんいつも辛そうです。
この繊細さゆえに
警察組織にいるのが難しく
辞めちゃったのかな？と
想像していたのですが。
⇒真相は【難事件カフェ２】で明かされます。
智さんが事件関係者のために
スイーツを作るのは
自分自身を癒す作業にも思えました。
読者も癒されます
未解決になってた事件は
解決したからと言って
気分が晴れる訳ではありません。
嫌～な気分が残ることも。
智さんのスイーツは
読者の気分も和らげてくれる気がしました。
解決することがいつもいい結果になるとは限らない
智さんは
「解決することが
いつもいい結果になるとは限らない」
と言いました。
4話目の【最後は、甘い解決を】で
その言葉が響いてきます。
ホント、解決しなければよかった。
(´;ω;｀)
でも智さんの
【あなたは許さなくてもいい】の言葉に
すごく救われました。
兄弟の絆が強い
智さんの子ども時代のエピソードも
読んでいて苦しかったです。
智さんにとって季さんは
救世主みたいな存在なんだな。
おわりに
【難事件カフェ】と
【難事件カフェ２】の
紹介と感想でした。
(^▽^)/
雰囲気のいい喫茶店と
美味しいスイーツは
本を読んでいるだけでも
心地よい気分になれます。
また続編が出たらいいな～。
似鳥さんの
動物園シリーズの新刊も
出ているようなので
そちらも近々読みたいです。
それではまた(^▽^)/
