木瓜のぽんより備忘録

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アラフィフ主婦の備忘録。旅行・健康・お金など気になる事をメモ。

三浦しをん【愛なき世界】読みました

三浦しをん
【愛なき世界】を読みました。

ネタばれ有なので
これから読む方はご注意を。

*3/20誤表記を訂正しました。
*ご指摘ありがとうございます♪

愛なき世界

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耽美的で素敵な表紙♪

2018年9月に単行本が刊行。
2019年本屋大賞にノミネートされています。
2021年11月に文庫化。

【愛なき世界】あらすじ

恋愛・生殖に興味ゼロの院生・本村紗英に、
洋食屋の見習い・藤丸陽太が恋をした。
殺し屋のような教授、サボテン一筋の後輩男子に囲まれ
本村は愛しい葉っぱの研究に没頭中。
実験やイモ掘り会に潜り込む藤丸の想いは花開くのか。
「知りたい」という情熱を宿す人々の
愛とさびしさが心を射る長編。
©愛なき世界・上巻の裏表紙より

【愛なき世界】主な登場人物

藤丸陽太

洋食屋「円服亭」の見習い料理人。
店に住込みで働く、料理に夢中な男子。
水色の自転車で出前に行きます♪

本村紗英

国立T大の大学院生。
葉っぱを愛する研究者。
恋愛やおしゃれに興味なし。
松田研究室に所属。
たまに変な柄のTシャツ着てます♪

円谷正一

「円服亭」の店主。
料理一徹の頑固おやじ。70歳くらい?
「円服亭」はT大の近く。
はなちゃんと同棲中です♪

松田賢三郎

T大の生物学教授。
常に黒いスーツと白いシャツを着用。
研究者としても指導者としても優れた人ですが
陰鬱な風貌はまるで「殺し屋」です♪

松田研究室のみなさん

中岡さん:秘書(女)

川合さん:助教(男)

岩間さん:ポスドク(女)

加藤くん:院生(男)サボテンLOVE♪

諸岡教授

T大教授。おイモの研究をしている。
もうすぐ定年です♪

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【愛なき世界】の意味は?

タイトルの【愛なき世界】にはどんな意味が?

【愛なき世界】とは植物の世界のことのようです。

植物には、脳も神経もありません。つまり思考も感情もない。
人間が言うところの、【愛】という概念がないのです。
それでも旺盛に繁殖し、多様な形態を持ち、環境に適応して、
地球のあちこちで生きている。不思議だと思いませんか?
©【愛なき世界】本文より

【愛なき世界】の感想

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耽美的な表紙には
POPな帯が掛けられていました。

【恋のライバルは草でした】?

愛にあふれた物語です

タイトルに反して
この物語は愛にあふれています。

主に植物に対してw

本作ヒロインの本村さんは
研究のために育てているシロイヌナズナ
深い深い愛情を注いでいます。

研究室仲間の加藤くんの
サボテン愛も深い♪

諸岡教授のおイモ愛は
読んでいるこちらも楽しいです。

植物に対する愛だけでなく
師弟、親子、いろんな愛にあふれてる。

もちろん藤丸くんの料理愛も♪

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悪い人はいないし嫌な事件もおきません

登場人物に悪い人はいませんし
嫌な事件もおきません。

松田研究室の人々は
変わった人も多いけど
みんな穏やかで楽しそうです。

下巻では
ハラハラさせられる出来事や
涙が溢れちゃうシーンもありましたが
全般的に爽やかで心地よい物語です。

朗らかで誠実な藤丸くん

藤丸くんは高校卒業後
調理師専門学校に通って料理人に。

「円服亭」の味に惚れ込み
この店に住込みながら働いています。

休日も、食べ歩きや自室での実作に夢中で
お料理への探求心が深い人です。

そんな藤丸くんは
「円服亭」の出前で訪れたT大松田研究室で
植物と、その研究をするメンバーに出会い
植物学に心惹かれていきます。

専門的なことはわからない。
なんて敬遠しない藤丸くん。
「知りたい!」って気持ちは世界を広げますね。

朗らかで誠実な藤丸くんは
なんだか眩しい存在です。

浮ついた気持ちで研究の邪魔をすんな

植物研究に没頭する本村さんに
惹かれていく藤丸くん。

藤丸くんが本村さんに惹かれ始めたころ
「円服亭」の店主が藤丸くんに言います。

「浮ついた気持ちで、研究の邪魔をすんな」

T大近くに店を構える円服亭。
店主の円谷さんは、藤丸くんに
これまで数えきれないほど見てきた送別会の話をします。

それは結婚・出産・旦那の転勤やらで
研究を中断しなきゃならなかった女性研究者の送別会。

藤丸くんの気持ちは
「浮ついた」と称される軽いものではなかったと思いますが
店主のこのセリフは
藤丸くんの心をピリリと引き締めただろうな。

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どんどん近付いたと思ってた

藤丸くん、最初の告白で玉砕したあとも
それまでと同じように淡々と
料理の出前も行くし、研究室とも交流してます。

次のチャンスを狙ってる、とか
全然そんな風ではなくて
自然に溶け込んでいるような。
ええ、まるで植物のようです。

着実に2人の関係が近付いている。
…と思ったのですけどねぇ。

終盤、2度目の告白も玉砕します。

そばで見守って応援してくれる藤丸くんの存在は
本村さんにとって心地よさそうなんだけどな。

もし続編が出たら
しれっと夫婦になっててもいいと思う。

本村さんを親目線でみると

「知りたい」の気持ちを大切に育んで
研究に没頭する本村さんは素敵だと思います。

でも親の目線で見たら?

本村さんは私立大学で4年学んだ後
T大の大学院に進学して3年目。

植物研究に没頭していて
恋愛や結婚に興味はなし。

このまま研究を続けて
それが将来の仕事になるかどうかも謎。

実家を出てひとり暮らし。
研究が忙しいからバイトは出来ない。

50代半ばの両親が
学費も家賃も生活費も出してる状態です。

子どもの夢は叶えてあげたい!って
思う親も多いのでしょうけど

「いったいいつまで支えたらいいの?」
と考える、わたしがケチなの?

わたし自身
50代になって体調不良が続いてるので
【いつまでもあると思うな親と金】と
しみじみ思うのですよ。

子どもより先にいなくなるのが
親の常なので、せめて
自分自身を養う力だけはつけてほしい。
と考えてしまうのよねぇ。

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おわりに

三浦しをん【愛なき世界】の感想でした。

三浦さんの文章は
映像が頭に浮かびやすい気がします。

緑にあふれた松田研究室や
シロイヌナズナの栽培室など
見てみたいな~。

変わり者だけど楽しいキャラが多くて
ほのぼの気分で読みました。

続編を読みたい気もするし
スピンオフで
サボテン加藤くんの話とか
書いてくれたら嬉しいな。

それではまた(^▽^)/

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